老後にはどんな生活が待っている?令和5年度の内閣府調査結果をご紹介

生活

これから定年を迎える方や親が高齢になった方のなかには、実際に老後の生活がどのようなものかイメージしにくい方がいらっしゃるかもしれません。

そのような場合には、内閣府が高齢社会対策としておこなっている、調査結果を参考にするのがおすすめです。

内閣府がどのような調査をおこなっているのか、実際の調査結果をご紹介します。

内閣府はどんな調査をしている?

国の調査なんて、普段目にすることがないから知らないわ

役に立つ情報を選んで、お伝えするワン!

今までに実施した調査

内閣府では、共生共助のなかの高齢社会対策のひとつとして、さまざまな調査を実施しています。

内閣府のホームページで公開されているもののなかでもっとも古いものは、平成6年のものです。

毎年または数年ごとに同様の調査がおこなわれていますが、その主な内容は以下のとおりです。

  • 高齢者の住宅と生活環境に関する調査
  • 高齢者の経済生活に関する意識調査
  • 高齢者の健康に関する意識調査
  • 高齢者の地域社会への参加に関する意識調査
  • 高齢者の日常生活

(出典 高齢社会対策に関する調査 https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/kenkyu.html

高齢者の経済生活に関する意識調査

全国の高齢者3,000~4,000人を対象としたもので、調査事項は次の4つです。

  • 生きがい・健康状態・社会活動
  • 仕事
  • 経済的な暮らし向き
  • 貯蓄・老後の備え
平成元年の調査結果
  • 生きがいを感じている 79.6%
  • 感じていない 19.8%
  • 健康状態が良い 54.7%、
  • 健康状態が普通 25.8%、
  • 健康状態が良くない19.5%
  • 経済的に心配なく暮らせる 74.1%、
  • 経済的に心配は 20.3%
  • 生命保険など健康への備えをしている 48.3%、
  • 現在の貯蓄で足りると考えている 43.5%
令和6年の調査結果
  • 生きがいを感じている 74.8%
  • 感じていない 23.2%
  • 健康状態が良い 43.1%
  • 健康状態が普通 29.8%
  • 健康状態が良くない 25.6%
  • 経済的に心配なく暮らせる 65.9%
  • 経済的に心配 30.7%
  • 生命保険など健康への備えをしている 80.7%
  • 終活の備えをしている 38.1%
  • 住まいの確保や修繕などの備えをしている 25.5%
  • 人とのつながりを持つ 12.4%

5年間で意識のうえで暮らしやすさが低下しているともとらえられる調査結果ですが、円安・食料品の価格高騰といった社会情勢の変化が大きな要因といえるでしょう。

また、このなかで留意したいのが、経済的な心配がない世帯について、持ち家(住宅ローン返済なし)( 77.9%)で高く、賃貸住宅(45.3%)で低いことです。

令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果①基本属性

(出典 https://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/r05/html/index.html

具体的にどんなことを調査しているのかしら

この調査は、住宅と生活環境の状況を把握し、高齢化社会対策を進めるためのものだワン!

調査概要

65歳以上の男女4,000人を対象とするこの調査では、以下の4項目について郵送・オンラインで回答を得ています。(有効回収率66.9%)

  • 基本属性
  • 基本的な生活状況
  • 住宅の状況
  • 生活環境

婚姻状況・子どもの有無

  • 結婚したことがない 5.2%
  • 現在配偶者またはパートナーがいる 65.3%
  • 離婚された 7.1%
  • 死別された 20.3%
  • 子どもと同居されている 13.4%、
  • 子どもと別居されている 49.5%、
  • 同居別居ともに子どもがある 24.2%、
  • 子どもがいない 10.3%

同居者

  • 一人暮らし 20.1%
  • 配偶者またはパートナーと住んでいる 62.3%
  • 親と住んでいる 3.7%
  • 子どもと住んでいる 30.6%

夫婦やパートナーとともに年をとる方が多いけれど、一人暮らしの方も結構いるのね

ずっと一人で頑張ってきた方も多いワン!

収入の種類

  • 公的な年金収入がある 72.6%
  • 仕事をしている 14.7%
  • 私的な年金がある 1.4%
  • 生活保護を受けている 1.2%
  • 子どもから援助がある 0.8%

生活保護と子どもからの支援は、もっと多いと思っていたわ

年金が少なく、仕事を続けざるを得ない方も多いワン!

収入の金額

  • 1か月の平均収入が税込5万円未満 2%
  • 5~10万円 7.3%
  • 10~15万円 11.6%
  • 15~20万円 14.4%
  • 20~25万円 13.5%
  • 25~30万円 11.8%
  • 30~40万円 13.6%
  • 40~60万円 10%

ばらつきがあるけれど、3割以上が20万円以下なのね

自営業の方は、厚生年金がなく国民年金しかもらえないワン!

令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果②生活状況

最期を迎えたい場所についての調査もしてるわ

自分や親の老後を考えるうえで、参考になる調査結果がいっぱいだワン!

活動状況

  • 15分くらい続けて歩ける 70%
  • バス・電車・自家用車など1人で外出する 78.9%
  • 自分で買い物をしている 75.5%
  • 自分で食事を用意する 65.9%

行きは歩けても、帰りはタクシーに乗っちゃう

真夏と真冬のおでかけも大変ワン!

今の地域に住み始めて何年か

  • 生まれた時から 12.8%
  • 31年以上 52.5%
  • 30年以内 7.2%
  • 25年以内 6.4%

みんな長く住んでるのね

若いうちに持ち家を購入する方が多いワン!

※配偶者またはパートナーと死別している方は、長く住んでいる傾向が高い

※親と同居している方は、生まれた時から住み続けている傾向が高い

近所付き合い

  • あいさつをする 84.6%
  • 立ち話をする 61.3%
  • 物品のやりとりをする 47.4%
  • 相談できる 18.8%
  • 飲食をともにする 16%

どこの病院が良いとか、そんなおしゃべりが楽しいのよね

少しでも会話できる相手がいるのは、良いことワン!

同じ場所に住み続ける予定

  • 住み続ける予定がある 94%
  • 住み続ける予定がない 4.3%

ほとんどの方が住み続けたいのね

このまま住み続けるには不便な場合があるワン!

※同居者がいない方・毎月の平均収入が5万円未満の方に「ない」傾向が高い

今の場所に住み続けるために必要なこと

  • かかりつけ医などの受け皿 56.4%
  • 近所付き合い 50.2%
  • 防犯・治安の良さ 46.2%
  • 移動手段・買い物のしやすさ 46.1%
  • 家族などの援助 41.4%
  • 公的機関の援助 37.6%
  • 民間サービス 20.2%

全部あると嬉しいけれど、なかなか難しいわね

長く住み続けるうちに、病院の移転や子どもの転勤など環境の変化もあるワン!

親しい仲間

  • たくさんいる 7.8%
  • 普通 39%
  • 少しいる 36%
  • ほとんどいない 12.6%
  • まったくいない 3.5%

親しい人が少ないのは、私だけじゃなかった

定年退職後は、外に出る機会も減ってしまいやすいワン!

家族や友人との会話

  • 毎日 72.5%
  • 2~3日に1回 13.1%
  • 1週間に1回 6.7%
  • それ以下・ほとんどなし 6%

頼れる人

  • 同居の家族 63.9%
  • 有料サービス 25.6%
  • ご近所 16.2%
  • 友人 15.4%
  • ボランティア 7.7%
  • いない 11.1%

参加した活動

  • 1年間に参加した 63.2%
  • 参加していない 35.3%
  • スポーツなど 30.3%
  • 祭りなど地域行事 21.9%
  • 趣味 15.9%
  • シルバー人材センターなど 7.7%

同居家族がいれば良いけど、一人暮らしだと不安よね

不安な場合は、早めに地域包括センターに相談するのもおすすめだワン!

最期はどこで迎えたいか

  • 自宅 45.8%
  • 病院・介護施設などの医療施設 36.3%
  • 老人ホームなどの福祉施設 8.3%
  • サービス付き高齢者向け住宅 2.6%
  • 別居する子ども・親族の家 1.3%

老人ホームにうまく馴染めるか心配で…

色々なタイプの高齢者向け住宅があるワン!

孤独死について

  • とても身近に感じる 14.4%
  • まあ身近に感じる 34.3%
  • あまり身近に感じない 38.5%
  • まったく身近に感じない 13.3%

一人暮らしだと、誰にも看取られずに亡くなることを考えるかも

定期的に訪問してくれる親戚やボランティアの存在は心強いワン!

まとめ

今回は、内閣府が公表している「令和5年度 高齢者の住宅と生活環境に関する調査結果」のなかから、基本属性・生活状況をご紹介しました。

現代社会のなかでどのように老後の生活を送っているか、わずかながらイメージできたのではないでしょうか。

住む地域や個人の事情によって、不安に感じるものは異なります。

自分だけで悩みを抱え込まないように、親が孤立しないように、できることを考えてみましょう。

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