令和3年4月1日に施行された「高年齢者雇用安定法第10条の2」では、事業主に対して70歳までの就業機会の確保を求めています。
こうした状況は、定年の引き上げのほか定年制度の廃止など、高齢者にとって働く機会が増えているともいえます。
そこで今回は、70歳以上でも働ける仕事はあるのか、具体的な求人の傾向とともに、仕事探しでこだわりたいポイント・仕事探しの注意点を解説します。
70歳以上に人気の仕事は?

街中でいきいきと働いている同世代の方をよく見かけるわ

シニア人気の仕事を見てみるワン!
- 施設内の警備
- 交通整理の警備
- 工場での軽作業
- ビルの清掃
- 家事代行
- 介護
- 調理
- マンションの清掃
比較的体力に自信がある男性に人気なのが、時給が高い警備の仕事です。
また、立ち仕事となる工場での軽作業は、人と関わる必要がなく気軽にできる仕事として人気があります。
さらに、夜間や早朝に短時間のみ働くビルの清掃は、すきま時間を有効活用したい方から人気です。
一方で、女性に人気なのが、女性ならではの細やかさが求められる仕事です。
仕事などで忙しい方に代わって料理や掃除などをする家事代行は、主婦経験のある方におすすめできます。
また、人材不足に悩む介護の仕事は、比較的採用されやすい特徴があります。
このほかに、丁寧な掃除・住人目線でのメンテナンスなど、マンションの清掃は女性におすすめできる仕事です。
70歳以上を対象とした求人の傾向

実際に70歳以上を対象としている求人なんて、あるのかしら

シニア向け求人サイトもあって、多くのシニアが活躍しているワン!
- マンション管理人
- オフィスビルの清掃
- 駐車場の警備員
- イベント巡回警備員
- 塾の講師
- リサイクルショップの販売
- ガソリンスタンド監視員
- レンタカー受付
- 和菓子販売
- 訪問介護
70代以上OKの仕事のポイント
- マンション管理人:80代でも取り組める仕事
- オフィスビルの清掃:午前中の短時間や平日のみできる仕事
- 駐車場の警備員:未経験でもできる仕事
- イベント巡回警備員:未経験でもできる仕事
- 塾の講師:子どもと触れ合えて社会貢献できる仕事
- リサイクルショップの店員:長時間でまとまった収入になる仕事
- ガソリンスタンドの監視員:座りながらできる仕事
- レンタカー受付:座りながらできる仕事
- 和菓子販売:同年代の顧客が多く落ち着いた雰囲気が喜ばれる
- 訪問介護:経験を活かせる仕事
ガソリンスタンドの監視員に注目!
す。
お客さんであるドライバーが給油ノズルを手に取ったタイミングで店内に通知が届き、それに応答して給与許可ボタンを押す仕事となります。
基本的にはお客さんと対応することはなく、座ってできる気軽な仕事です。
ただし、簡単な接客・電話対応・金銭管理といった業務があり、やりがいのある仕事ともいえます。
ガソリンスタンドの監視員として仕事を始めるには「危険物取扱者乙種第4類」の資格が必要です。
この資格は、乙4・危険物乙4ともよばれ、多くの方が受験にチャレンジする人気資格です。
危険物取扱者乙種第4類の受験資格
危険物取扱者乙種第4類の受験には、特段の資格が不要です。
誰でも受験にチャレンジできますので、老後にアルバイトをしたいとお考えならば、早めに取得を考えると良いでしょう。
乙種およびそれより簡単な丙種については、小学生や日本国籍を持たない方でも受験可能です。
日本語で出題される問題を解けるならば、誰でも受験できます。
危険物取扱者の資格のなかでも、一番人気があるのは乙種第4類です。
危険物取扱者乙種第4類は、ガソリンスタンドの求人で必須とされているほか、化学メーカー・ビルメンテナンスといった仕事にも活かせます。
参考 https://www.tac-school.co.jp/kouza_kikenbutsu/kouza_kikenbutsu_guide.html
70歳以上の仕事選びでこだわりたいポイント

仕事で年金以外の収入を確保したいけど、体力が不安なのよね

70歳以上ならではのこだわりポイントを考えてみるワン!
- 通勤がしやすいか
- 仕事内容が自分の体力レベルに合っているか
- 短時間から働けるか
通勤がしやすいか
70歳以上になると、免許返納していて公共交通機関を利用して通勤する方が多くなります。
また、電車やバスでの移動が不要となる、自宅から徒歩でかよえる場所で仕事を探すことも考えてみましょう。
通勤時に歩く時間が長くならないだけでなく、通勤に長時間かかる仕事は負担が大きくなります。
仕事内容が自分の体力レベルに合っているか
70歳以上OKと記載されている仕事でも、立ち仕事や忙しい仕事などがあります。
そのため、年齢制限なしや時給の高さだけで仕事を選ばず、仕事内容を吟味することがポイントです。
定年頃の働き方をイメージするのではなく、70歳以上となった現在の運動量を考えてみて、無理のない仕事か考えてみましょう。
短時間から働けるか
70歳以上になると、フルタイムでの仕事は心身ともに負担が大きくなります。
そのため、1日4時間程度、週に3日程度から働ける仕事にこだわるのがおすすめです。
たくさん働いて多く収入を得たいと考えるかもしれませんが、体調を崩さずにできるだけ長く働き続けられる仕事を選ぶのがポイントです。
仕事選びの注意点

見つかればどんな仕事でもうれしいけど、注意しなければならないことがあるのね

働き始めてから後悔したり体調を崩したりしないよう、注意点を見てみるワン!
- 面接の印象をアップさせる
- コールセンター・ドライバーを安易に選ばない
- シニアを対象とした求人サイトを活用する
面接の印象をアップさせる
70歳以上でも働ける仕事は、スキルより人柄を重視して採用されることがほとんどです。
そのため、面接の印象をアップさせることが、仕事選びにおける注意点です。
採用面接でとくに注意したいのが、時間を守る・受け答えを丁寧にする・自分の希望を押し付けないなどです。
70歳以上で仕事を始めることに不安を抱く場合には、体力面で不安があるが無理なく働ける環境かどうか質問すると良いでしょう。
一方的に、土日は絶対に休みたいなど自分の都合を押し付けるのではなく、どのような人材を求めているか見極めたうえで、ニーズに合う人材として自分を売り込むことがポイントです。
コールセンター・ドライバーを安易に選ばない
シニア歓迎・高時給といった文言が多いのが、コールセンターやドライバーの仕事です。
自分に合った仕事ならば問題ありませんが、誰にでもおすすめできる仕事ではないことが注意点です。
コールセンターについては、取り扱っているサービス内容によりますが、電話口で臨機応変に対応するスキルが必要になります。
また、膨大なマニュアルが用意されていることが多く、のんびり働く環境とはいえません。
さらに、大きなコールセンターの場合、人間関係で疲れやすいことが注意点です。
一方で、ドライバーは、高齢者ならではの事故のリスクが高いことが注意点です。
アクセルとブレーキの踏み間違えは、生命にかかわる大事故につながります。
認知能力の低下とまではいかなくても、物忘れが増えてきたと感じているならば、ドライバーは避けるべきです。
シニア歓迎のドライバーの仕事のなかには、介護施設・保育園の送迎などが含まれています。
ニュースでは、送迎バス内への閉じ込めなど痛ましい事故を耳にすることがあります。
本当に自分にドライバーができるのか、厳しい目で判断することが重要です。
シニアを対象とした求人サイトを活用する
一般の求人サイトを見た方のなかには、自分の年齢を対象とした仕事が見つからないと悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。
そのような場合におすすめなのが、シニアを対象とした求人サイトの活用です。
- 【シニア求人ナビ】 50代・60代中心のお仕事情報サイト
- 「70歳代OK」の条件設定がある
- 地方での求人件数は少ないが、都市部では多くの求人が掲載されている
- https://www.seniorjob-navi.com/
- 【シニアジョブ】シニアのための求人サイト 50歳以上採用の企業のみ掲載
- 70歳以上歓迎の求人がある
- 75歳以上歓迎の求人がある
- 資格や経験を活かす求人が多いものの、地方でも求人件数が多い
- https://seniorjob.jp/
- 【バイトルのグラン・ジョブ】シニア(60代~)歓迎のバイト・アルバイト・パート求人
- 飲食・警備などが多め
- シニアだけを対象としていないため、若い方がライバルになる
- https://www.baitoru.com/lp/senior/
- 【バハローワークの中高年層(ミドルシニア)限定・歓迎求人】
- 64歳までの求人が多いものの、年齢不問の求人も一定数ある
- 最寄りのハローワークで相談できる
- https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hgk_28168.html
まとめ
年金以外に収入を確保するため、70歳以上でも働ける仕事を探している方はたくさんいらっしゃいます。
安定して働ける仕事を見つけるには、自分の体力や得意分野を把握したうえで、ニーズに合う求人を探すことがポイントです。
シニア向けの求人サイトを活用して、自分に合った仕事を見つけてみてください。